2015-04-19 11:26:14

cocos2d-x + Travis CI

引き続きcocos2d-xを使ってブロック崩しを作っている。
かれこれ2ヶ月あまりが経過した。ほぼ通勤時間でのみ作っている。

いまのところの作業の流れとしては、

  • まずLinux向けにビルドして動作確認
  • 問題なさそうであれば、Android向けのビルドを実施
  • なんとかして実機にAPKを移し、インストールする

という手順なのであるが、実機へのデプロイがなかなか面倒である。
基本的に電車内なので、ケーブルをスマホとPCに繋いで〜、というひと手間がなかなか面倒である。
すると端末間のファイル共有だったり、原始的にメール越しにAPK共有、等があるが、、、やはり面倒である。

デプロイもっと楽にする手段としてDeployGateさんを使わせてもらうという手がある。
これを用いると、変更をコミットするとそれだけで最新版APKがメールで送られてくるっていうようになるようである。

なので今回はこれを導入してみることにした。流れは以下のような感じになる予定である。

  • PC上にてcocos2d-xでアプリ作成。ソースをGithubにPush。
  • Travis CIでビルド。
  • ビルド成果物をTravis CIがDeployGateに送信。
  • DeployGateがわしのスマホにメールを送信(APK添付)。

以下、長文。

cocos2d-x + Travis CI

CI環境としてTravis CIをチョイスした。無料で使えるからである(Publicなリポジトリ限定かな)。
初のTravis CI利用ということもあり、なかなかに躓いたというか知らんことが多かったので、備忘録を残す。

そもそもTravis CIに何をしてもらえるか

ちょいちょい試してみたところ、以下のような感じである。

  • GithubへのPushをトリガーにして自動的にビルド実施。
    • ビルドに限らず、任意のScriptを実行可能。自動テストなんかも行うようにするとなお吉。
    • ビルド前処理、後処理、など、割と細かくステージ分けがされている。
  • ビルド失敗、成功の旨をメールにて通知。
  • masterだけでなく、他のブランチへのPushに対しても同様の処理をしてくれる。

ざっくりだがこんな感じだろうと。無料で使えるにしては十分かな。

さっそく設定する

設定手順はこんな感じ。

  1. Travis CIのWebサイトにて、監視してほしいリポジトリの設定をする。
  2. リポジトリのトップに .travis.yml を置く。
  3. あとはソースをプッシュするだけ。

(1)と(3)は別に問題ないと思われる。問題は(2)である。
以下、.travis.ymlの内容について書く。

ビルドパスした .travis.yml はこれ

いかにもやっつけ感満載でありつつ、とりあえずビルドパスするところまでいけた。
記念に貼り付けておく。もしかして誰かの役に立つことも願いつつ。

language: android

# Handle git submodules yourself
git:
  submodules: false

install:
  # NDK configuration
  - printenv
  - echo `pwd`
  - wget http://dl.google.com/android/ndk/android-ndk-r10d-linux-x86_64.bin
  - chmod a+x android-ndk-r10d-linux-x86_64.bin
  - ./android-ndk-r10d-linux-x86_64.bin -y | grep -v Extracting # because log will be too long!
  - export NDK_ROOT=`pwd`/android-ndk-r10d
  - echo $NDK_ROOT
  - export PATH=$PATH:$NDK_ROOT
  - echo $PATH

  # Android SDK configuration
  - export ANDROID_SDK_ROOT=/usr/local/android-sdk
  - export PATH=$PATH:$ANDROID_SDK_ROOT/tools:$ANDROID_SDK_ROOT/platform-tools

  # git submodule
  # Use sed to replace the SSH URL with the public URL, then initialize submodules
  - sed -i 's/git@github.com:/https:\/\/github.com\//' .gitmodules
  - git submodule update --init --recursive

  # cocos setup
  - cd ./cocos2d
  - python download-deps.py --remove-download=yes
  - python ./setup.py
  - export COCOS_CONSOLE_ROOT=`pwd`/tools/cocos2d-console/bin
  - export PATH=$PATH:$COCOS_CONSOLE_ROOT
  - export COCOS_TEMPLATES_ROOT=`pwd`/templates
  - export PATH=$PATH:$COCOS_TEMPLATES_ROOT
  - export ANT_ROOT=/usr/share/ant/bin
  - export PATH=$PATH:$ANT_ROOT
  - printenv

script:
  - cd ..
  - cocos compile -p android -j 8

躓き備忘録を以下に記しておく。

Travis CIは何で動いてるんだろ

Ubuntu 14.04(64bit)らしい。
なので各種Linuxのコマンドは使える。

cocosコマンド使えるようにする?

cocos2d-xの開発では、cocosコマンドによるビルドを使うのが便利である。
ただし、ちょっと環境構築が面倒な一面もある。

上記のymlでは、結果的にcocosコマンドを使える状態にしている。
「Travis CIはAndroidのビルドをサポートしている」ようなのだが、なのでもしかしたら、
cocosコマンドを使えるようにしなくても、Ant、ndk-buildあたりでなんとかできるのかもしれない。

と思ったのだが、どうやらNativeビルドには対応していないようである(あらかじめ用意されてはいない)。
なので、おとなしくcocosコマンドを使う方針で設定してみた。

NDKを解凍するときにTravis CIがerror 137で終わる

上記ymlでいうところの、以下の箇所を実行するとerror 137を報告してビルドが失敗に終わることがあった。

- wget http://dl.google.com/android/ndk/android-ndk-r10d-linux-x86_64.bin
- chmod a+x android-ndk-r10d-linux-x86_64.bin
- ./android-ndk-r10d-linux-x86_64.bin -y | grep -v Extracting # because log will be too long!

解凍時にログをリダイレクトしているが、これをしないとログが大量に出過ぎることが原因でTravis CIに怒られ、ビルドが失敗に終わる。
それとは別に、解凍にメモリをくいすぎて、いわゆるメモリショートでプロセスが殺されるのがerror 137の原因らしい。。。

sudo: required をファイルの冒頭に書いていたのであるが、それを消したらerror 137は解消した。
意味不明だが、回避策もよくわからないのでもう追っかけるのはやめた。。。

Android SDKはあえて用意しなくていい

NDKは自前で用意する必要があるが、Android SDKはTravis CI側で用意してくれているので、あえて自前で用意しなくてもいい。

というか、Android SDKをダウンロード → Update SDK の流れを実施すると、今度はストレージ容量を圧迫してしまうため、
後続の処理(git submodule)実行時にストレージ容量不足でビルドが失敗に終わる。
有料にすれば解決するのかな?とりあえずわしの環境ではAndroid SDKを自前で準備することは出来なかった。。

gitスキームを用いているsubmodule取得に失敗する

SSH鍵の関係で、gitスキームを用いているsubmoduleの取得に失敗する。
なのでgitを用いてる部分はhttpsに無理やり書き換えている。以下の部分である。
涙ぐましい。

# Use sed to replace the SSH URL with the public URL, then initialize submodules
- sed -i 's/git@github.com:/https:\/\/github.com\//' .gitmodules

環境変数設定を頑張る

cocos2d設定の過程でsetup.pyを実行するところがあるが、こいつは.bashrcを書き換える。
.bashrc内にexport文がいくつか追加される。本来、source ~/.bashrc等とやれば環境変数が有効になるのであるが、、、
Travis CIのScript上では効かないので、しかたなく.bashrcに追記されるものと同等の設定を.travis.ymlにて実施した。
以下の部分である。

- export COCOS_CONSOLE_ROOT=`pwd`/tools/cocos2d-console/bin
- export PATH=$PATH:$COCOS_CONSOLE_ROOT
- export COCOS_TEMPLATES_ROOT=`pwd`/templates
- export PATH=$PATH:$COCOS_TEMPLATES_ROOT
- export ANT_ROOT=/usr/share/ant/bin
- export PATH=$PATH:$ANT_ROOT

ここまでいくと、Travis CI上でcocosコマンドが使えるようになる。
cocos compile -p android -j 8でビルド実行。APKが生成される(デバッグ版)はずである。

成果物がでてくるところまできたので、Travis CIの設定はひとまず以上とした。
おかげさまで、リポジトリにTravis CIバッヂを貼ることができた。

https://github.com/pankona/KonaReflection

DeployGateさんへのデプロイは

ビルド成功の後、curlコマンドでAPKをDeployGateさんへ送信すればいい模様。
できたらまた躓きポイントを載せていこうと思う。
追記:DeployGateさんへのアップロードについては次回記事も見てね。

今回はここまで。

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