2024-08-27 23:33:11

「戦争の心理学」という本を読んだら、だいたいのことは "極めて自然" に思えてきた

「戦争の心理学」という本を読んだ。たいへんおもしろかった。

戦争の心理学、という本を読んだ。
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原価は2,400円だが新品が売ってないようで、中古でお買い求めすると5,000 から 6,000円くらいする。高いな?自分は図書館で借りて読んだ。一度の貸出では読み切れず、2~3回ほど連続で借りて読み切った。図書館で借りればタダよ。

この本には、だいたい「戦闘するとき、人間の体にはどういう変化が起こるのか」っていうことが書かれている。生きるか死ぬかっていう状況になると、人間には心理的にも肉体的にも色々と変化が起こるんだっていう話。本の最後のほうには PTSD の話とか、逆に PTSD にならないためにはどうすればいいのか、みたいな話も出てくる。一貫して戦争の話を扱っている本ではあるが、日常生活に応用が効くような内容もちょいちょいあるようにも感じられた。

色々興味深いことが書かれていたが、自分はこの本で頻出するワードであるところの「極めて自然」という表現がとても印象に残った。

びびるのは極めて自然

曰く、戦闘時、人間にはいわゆる「不名誉」な状況が降りかかることがある。不名誉なことなので体験談などで残されないケースが多いらしいが、たとえば「大小失禁」であるとか「味方を見捨てて逃げる」だとか、内面的にも「味方がやられたけど自分じゃなくて良かったと思っちゃう」とか。少なくない兵士がこういうのを体験しているらしい。

で、この本はだいたい一貫してこういう不名誉とされるような振る舞いに対して「極めて自然な人体の反応である」と書いている。どうしてそういう反応をしてしまうか、ということについても細かく、概ね科学的に説明されていて、信憑性があると感じた。ちなみに著者は退役軍人の方らしい。

そういうもんだと思っていると気が楽

人前で発表するとか、面接に臨むとか、納期が迫っているリリース物があるとか、そういうときには自分は少なからず不安を覚える。場数を踏めばなれると言われて育ったが40歳を過ぎてもまだ慣れていないのだから、今後も慣れないまま人生を送る可能性が高そうな気がしている。

いままでは割と「こんなことでストレスを感じるなんていい歳してみっともねえ心身だな」と思わんでもなかった。ゲームやっててもすんごいドキドキしたりすることもある。昇格戦に限って手元がくるってコンボミスるみたいなことあるじゃん?そんな自分にしばしば嘆いていたわけである。自分ってしょうもねえなぁと。よその人はあんな立派にやってんのになぁと。

なんだけど、この本を読んだあと、こういう症状が起こるのは (人によって程度こそ異なるものの) だいたい普通、つまり「極めて自然」であるというような認識になってきた。説明できる現象なのである。びびるのは普通なのである。本はあくまで「戦闘」の話を綴っているわけなので、だいぶ拡大解釈ではあるかもしれないが。

日々のプレッシャーを感じるとき、あるいは自己嫌悪に陥りそうなとき、心の中で「いやまあしかし、こう思っちゃうのって人間にとって “極めて自然” だしな、しゃーないよな」って思えると、ちょっと気が楽になるような気がせんでもない。“極めて自然”、心に飼っておこうと思った。

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