最近は Claude Code (CLI のやつ) をだいぶ使っている。
Vim のターミナルで Claude Code を動かすとして、いくらか便利に使うための TIPS 載せておく。
Claude Code に「ファイルの何行目を見てくれ」みたいに指示したいとき、便利なやり方が分からなくて困っていた。
いつも別のターミナルを開いて find だの grep だの cat だのして、そんでだいたい場所を特定したら Claude Code に戻って「@hogehoge.go の Ln-Lm を見てくれ」と打ち込む感じ。おお、なんとみっともない非効率なやり方かパン粉よ
別のターミナルがスッと開ける環境ならまだ良くて、ssh しているときなんかは他のターミナルをスッと起動することもできないときがあり、いったん Claude Code を落としてから find だの grep だの… とやって、あたりをつけたらもう一回 Claude Code を起動してさっきあたりをつけた場所を打ち込む、という手順を踏むこともあった。おお、なんとみっともない非効率なやり方かパン粉よ
tmux を使えばだいぶマシになるという話もあるが、自分はいままで tmux を使ってこなかったこともあり、つい tmux の起動を忘れがちだったりするのもある。
で、自分は普段は Vim を使っている。プロジェクトのルートディレクトリで Vim を開き、あとは NerdTree を使ったり silversearcher-ag と fzf の連携でファイルを探したりしている。ファイルを探すのも grep するのも Vim なのである。
ということで、Vim と Claude Code をうまく連携できると良いのだけど、いくらかやり方を模索してみたところ割と自分に合いそうなやり方を見つけたので TIPS として記録しておく。やりたいことは以下であった。
Claude Code は Vim のターミナルで動かす想定。
自分のところの Vim のターミナルで Claude Code を動かすと、こんなふうになっていた。動きもなんか変
これは ambiwidth=double
という設定が悪さをしていたことが分かった。ambiwidth=single
にしてあげるとキレイな見た目になるしちゃんと動く。しかし ambiwidth=double
を捨てて俺達日本人が生きていけるのかは分からない。
これは Claude Code に貼り付けるというよりは「yank したものをターミナルに貼り付けるにはどうすれば」という話である。
これは yank したあと、ターミナル側のペインで入力モードに入ったのち、「Ctrl-w “"」と入力すれば yank したものが貼り付けされることが分かった。なんか Vim の基本中の基本の操作っぽい雰囲気がするのだが自分は知らなかった……。10年以上 Vim 触っているのに……。
ターミナル上で Claude Code を起動した状態で同様の操作をすれば、Claude Code の入力欄に yank したものがペーストされていくという寸法。具体的なコード片を Claude Code に貼り付けたいときに便利。
具体的なコードを貼り付けるんじゃなくて、ファイルパスとその中のどのへんっていうのを指示したいときの話。
これは少しだけ工夫が必要だったが、しかしワンライナーで済ますことができた。
ビジュアルブロックで行を選択した状態で、以下のコマンドを入力する。
:let @" = '@' . expand('%') . ':L' . line("'<") . '-L' . line("'>")<CR>
"
に突っ込んでいるあたりはもっと便利にできるかもしれない。しかしこれをやると「@{ファイル名}:Ln-Lm
」というフォーマットの文字列が yank された状態になる。ちなみにファイル名は相対パスで取得される。
そのまま Claude Code 側にいって「Ctrl-w “"」とすれば、件の文字列が Claude Code に貼り付けられるという寸法である。
自分は vimrc に以下のように書いておいた。leader を ,
に設定しているので、,y
とやると先述のコマンドが動いてビジュアルブロックで指定した部分のファイル情報が yank された状態になる。
vnoremap <leader>y :<C-u>let @" = '@' . expand('%') . ':L' . line("'<") . '-L' . line("'>")<CR>
これで vim で高速にファイルを探索しながら、所望の場所を特定したら Claude Code にペッと貼り付けるというのを快適に行うことができそうである。
世の中の Claude Code を便利に使うための Vim Plugin (概ねは nvim 用のもののようだが……) はもっともっと便利機能がありそうだが、自分の需要という点ではいったんここまで。もっと便利にしたくなったら Vim Plugin を書く (Claude Code に書いてもらう) のもいいかもしれないな!
AIにコードを書いてもらう時代らしいので試した
AIエージェントにコードを書いてもらう!というのが、2024年の暮れくらいからツイッターのタイムライン上で賑わっていたように感じる。cursor composer、GitHub Copilot Edits、あと cline あたりがよく見る名前だっただろうか。
Roo Cline というのがなんとなく評判がいい?ような気がしたので、ちょいとお試しで触ってみた。
Cline にはいくらか亜種が存在する。元祖を Cline として、Roo Cline とか Recline とかっていう似たような名前のツールがいくらかある。Cline をカスタマイズするにはフォークするしかなかった、というのが背景にあるらしい。
で、この Cline はなんらかの言語モデルの API を叩いて動作する。OpenAI や Gemini みたいなものの API を叩いてもらう構図なのだが、なので基本的には従量課金という話になる。なんだけども、GitHub Copilot の機能を使って動かすこともできるらしく、つまり GitHub Copilot の契約があれば定額で動かすことができるっていう話らしい。定額?ならば試してみよう!ということで手を出してみたのであった。
ちなみに、2025年1月前半の時点では Roo Cline っていうのと Recline っていうのが GitHub Copilot の機能で動かすことができる Cline であるらしい (たぶん。pankona 調査)。
Roo Cline の導入は VSCode のプラグインを入れるだけなので一瞬で済む。簡単。GitHub Copilot の機能で Roo Cline を動かそうという場合には、おそらく GitHub Copilot のプラグインあたりも必要なんだと思われる。
モデルとしては gpt-4o であるとか claude sonnet 3.5 であるとかいくらか選択が可能。sonnet 3.5 を選び、さっそくメンテが滞っていた hashira を持ち出して「このリポジトリでは Go のバージョンが古いみたいなのでできるだけ最新にしてくれたまえ。さて君にできるかな?AI の力を見せてごらんよ」みたいなことをお願いしてみた。
すると go.mod の中身を確認し始めた。go1.20 ですねーみたいなことを認識してくれて、その後は go.1.21 に書き換えてくれた。Task Complete! じゃないんだよ。さっきは煽ってごめんね、真面目にやってください。最新は go1.23.5 です。頼みます。
せっかくなので「最新は go1.23.5 です。更新したらテストが通るかどうかも確認してください。大丈夫そうだったらブランチを切ってコミットしてプッシュまでしてください。gh コマンドを使ってプルリクも作ってください」と一息にお願いしてみた。
すると
go mod tidy
コマンドとかを使わずにいきなり書き換えていた。まあいいんだけど)、こんなふうに作業をしてくれた。なんかすげえじゃん。差分はたった一行のプルリクだけども、結構いろいろやってもらえた感じがした。ありがとう、Roo Cline (その後 CI が通らないことが分かったので追加で色々直してもらえた。ちゃんとすごかった)。
自分は Roo Cline が作業をしている様をずっと眺めているだけだった。洗濯機が回っているのを延々と眺めていた小学校の頃の自分をちょっと思い出した。
で、遊び続けていると次第にレートリミットだってことで動かなくなってしまった。おもちゃを取り上げられたような気分だ。ということで sonnet 3.5 以外のモデルに切り替えて引き続き遊んでみたのだが、これがなかなか微妙である。同じファイルの中身の確認をし続けたり、まるであさっての方向の作業をして Task Complete! になってしまったり、まともに動かないという印象をもった。定額使いたい放題ではこのへんが限界か。
ってことで OpenAI に課金して OpenAI の API も試してみた。しかしこれもまあまあ微妙で、先述の sonnet 3.5 のほうがまともに動いてるのではないかっていう気がした。gpt-4o は1時間くらい作業して1,000円以上のコストになってしまったし、gpt-4o-mini あたりは安いんだけど何も進捗を出せずに一処をうろうろしているだけみたいなこともあった。わざと遠回りするタクシー運転手みたいなやつだなと思った。
gemini もちょっと試したんだけど、OpenAI の gpt-4o あたりとあんまり差がないようにも感じた。ある筋の話によると、gemini は食わせられるコンテキストが大きくて「鍛える」ことができるらしい。もしかしたら使いようによってはもっと強いやつなのかもしれないが、ちろっと触った範囲ではよくわからなかった。
やっぱり sonnet 3.5 なのか、ということで Anthropic にも課金して sonnet 3.5 を引き続き試してみた。今度は従量課金だ。レートリミットになることもあるまい。ということでしばらく遊んでみたところ、やっぱりこれがもっともまともに動くという気がした。ちゃんと「わかってる」コードを書いてくる。多少複雑でも延々と動かしていると次第にゴールに辿り着く。しかも gpt-4o よりちょっと安いか?
ということで定額使いたい放題を試すために Roo Cline をいじってみたのだが、気づいたらクレカ片手にあっちこっち課金して回っていた。いいんだ、楽しかったからいいんだ。そんでコードを書くならば claude sonnet 3.5 を使うのがいったん強そうだよ、っていうのが定性的ではあるが今回の知見。
この手の AI エージェントと呼ばれるツールはこの度始めて触ったのであるが、今後のコーディングのありようを考えさせられるツールであるな。ソフトウェアエンジニアがまったく要らなくなるとまではまだ思わないが、仕事のあり方は GitHub Copilot 登場のときのそれよりもだいぶ変わるんじゃないかという気がした。「人が書いて人がレビューして」みたいな感じではなく、「AIに書かせて人がレビューして」っていうのがもしかしたら主流になるのかもしれんなーと。SIer じみた感じになっていくのかもしれない。
突然の料理ログ
完成したところ
https://coderabbit.ai という、AI のちからでコードレビューを勝手にやってくれるというサービスが登場していたので試してみる。このブログでだ。
自分が書いているこのブログサイトは以下の流れで記事が作られている。
スマホでも記事が書きたいし PC でも記事が書きたいし、せっかく GitHub pages でブログやってるんだからそれになんかいい感じ乗っかって楽ができないかなーと思って構築したのがこの仕組みである。スマホだけでも GitHub で issue を書きさえすればブログ記事が書けるってのはなかなか便利である (便利ではあるが別に記事が量産されるかというとそれは別の話ではある)。
で、つまり記事が出ていく過程で pull request が一度生成されるようになっているわけで、先述の CodeRabbit さんに「ブログ記事を公開する前にいっちょレビューしてもらえる」って話ならば、なかなかもしかして便利で面白いのではないかと思ったわけである。
CodeRabbit の導入はとても簡単で、5分もあれば所望のリポジトリに CodeRabbit を導入することができた。お値段は、Open Source (Public Repository) ならば無料で使いたい放題らしい。ほんまか?大丈夫か?
公式ドキュメントはこちら https://coderabbit.ai/docs/introduction/
導入方法なども紹介されていてたいへん親切であった。これでとても便利だったらとても嬉しい。
さて、本記事に対応する pull request は https://github.com/pankona/pankona.github.io/pull/205 である。
ここを見ると CodeRabbit がどんなようなことを言ってくれるものであるかなんとなく察することができるかと思う。
変更の概要をコメントしてくれたり、あと謎のポエム?もつけてくれるようだ。文章のどこがおかしいとかもっとこうしたほうが読みやすいとか言ってくれたら嬉しかったが、そこまではしてくれない?ようだ (日本語だしソースコードじゃないってこともあろうか)。あんまり便利でもないがひとまず邪魔ではないので、いったん入れたままで様子を見てみようと思う。
ちなみに設定項目は Web の UI からぽちぽちいじってもいいし、リポジトリのてっぺんに .coderabbit.yaml
を置いといても見てくれるようだ。たくさんのリポジトリに導入しようと思ったら設定ファイルを使うほうが便利そうね。
記事を何度か書き直している途中で Rate Limit に達してしまって CodeRabbit さんが動かなくなってしまった。一時間単位で Rate Limit が設定されているようなのでほっとけばまた動いてくれるのだと思う。とはいえそんなにヘビーにレビューをお願いしているわけでもないのにあっさり Rate Limit に達してしまうところを見るにつけては、一通り書き終わったところで一発レビューをお願いする (自動でレビューさせない) という使い方のほうがいいのかもしれない。
スラッシュコマンド (dependabot を操作するのと同じようなやり口) でレビューの依頼ができるみたいなので、WIP が外れるところで一発 @coderabbit review
みたいに書いてみるのが丸いやり方かしらね。